今空き家の増加が深刻な社会問題になっています。
日本では7軒に1軒が空き家です。
ふだん人が居住していない住宅、いわゆる空き家は全国に820万戸※1存在し、総住宅数に占める空き家率は13.5%と、じつに7軒に1軒が空き家となっています。
八戸市でも空き家は、1万6,520戸※1あるといわれ、空き家率は15.4%と全国平均より高い数値となっており、空き家が増加傾向にあります。
また、ここ5年間の傾向で増加しているのは、「一戸建て」の空き家です。
いま、空き家の増加が全国的に深刻な問題になっています。
※1 平成25年住宅・土地統計調査(総務省統計局)結果による推計値
管理が疎かになると周囲に迷惑をかける危険な空き家に!
所有者が個人で空き家を管理していると、そこに居住していないため、どうしても手入れがおろそかになる、定期的なチェックができなくなるなど、管理が行き届かない状況に陥りがちです。
傷んだ状態のまま放置してしまうと、老朽化または台風などの自然災害で倒壊する危険性が高くなったり、建築材などを飛散させ通行人にけがを負わせたり、他人の財産に損害を及ぼすおそれが生じたりするなど、危険な空き家として認識されてしまいます。
空き家の管理は所有者・管理者の責務です
空き家などは所有者の財産です。所有者などは、空き家を適正に管理しなければならないと「八戸市空き家等の適正管理に関する条例」で定めています。民法でも、所有者などの管理が不適切だったために他人に損害を与えたときは損害を賠償する責任を負うこととされています。通行人や近隣住民などの人命に危害が及んでしまっては、取り返しのつかないことになります。
日ごろから定期的に空き家の状態を点検し、適切に維持管理してください。
特に台風の季節や春先など強風が予想されるときは、前もって建物の点検を行い、危険箇所は速やかに修理するなどして危険防止に努めましょう。
主な点検・お手入れのチェックポイント
- 屋根・軒裏・外壁
などの点検 - 通風・換気
- ポストの整理・
玄関や窓の施錠 - 庭木・雑草の確認
- 玄関・敷地周りの清掃
- 近隣へのあいさつ(近所の人に緊急時の連絡先を伝えておく)
周りに迷惑が掛かっている、または掛かりそうな管理の不十分な空き家の情報提供があった場合、市ではその空き家の実態調査を行います。
- 指導・助言
実態調査により、空き家の管理が不十分で危険な状態にあると認めたときは、空き家などの所有者・管理者に対して改善するよう指導、助言を行います。 - 命令・公表
空き家などが著しく危険な状態にあると認めたときは命令を行い、それでも改善されないときは、所有者などを公表する場合もあります。
利活用を考えるなら、相続が発生したタイミングで!
思い出がいっぱいの実家、親の名義のままになっていませんか?
名義を故人のまま何年も放置すると、相続人が次々亡くなることで、その子や孫の世代にまで相続権が及びます。相続人がねずみ算式に増え、相続関係が複雑になってからの手続きでは、同意を得る人物を特定するだけでも一苦労です。
また、相続人が高齢になると判断が難しくなるなどの問題も生じます。
相続登記の手続きをせずに放置してしまうと、予期していなかった手間と時間がかかってしまいます。不動産の相続話が持ち上がった段階で、適切に名義変更の手続きを行い、利活用について家族や関係者で話し合ってみてはいかがでしょうか?
供給過剰になる前に、売却などの利活用を考えてみませんか
空き家は定期的な修繕・手入れを行うだけでも費用がかかります。さらに老朽化するにつれ、年を追うごとに修繕・手入れの負担が所有者に重くのしかかってきます。
そして所有者は、居住していない空き家の固定資産税を毎年支払わなければなりません。
野村総合研究所の予測では、「空き家数・空き家率は、既存住宅の除去や、住宅用途以外への有効活用が進まなければ、2013年の820万戸・13.5%から、2033年にそれぞれ1,955万戸・27.3%へと、いずれも上昇する見込み」※2としており、今後、空き家物件の過剰供給となることが見込まれます。
中長期的に居住する見通しがない空き家は、当空き家ずかんや専門の業者を通じ、不動産評価額が下がらないうちに早めに売却や賃貸などの利活用を検討してみてはいかがでしょうか。
※2 「News Release 2030年度の新設住宅着工戸数は60万戸、大工の人数は21万人に減少」
(野村総合研究所/2018年6月13日)