八戸市での起業事例紹介

母が食堂経営していた思い出の場所 インスタ映えで根強いファンが増殖中

Dining&Café ikoi

Dining&Café ikoi

オーナーの後村和江さんは、東京で和・洋・中オールマイティに料理の修行をしてきました。20代の頃から、いつかカフェを経営したいという想いを温め続け、2017年1月15日、ついに念願の店をオープンしました。

お店の場所は、もともと後村さんが子供の頃、お母さんが「憩い」というラーメン屋を経営していた思い出の場所です。お店が入れ替わり、震災後、花屋さんがお店を畳んでからは、7年ほど空き店舗になっていました。

帰郷後、カフェ経営への想いがさらに強くなりました

後村さんは、お父さんが亡くなったことをきっかけに帰郷します。

八戸で仕事に就いた飲食業のオーナーの後押しと、飲食店を経営している同級生と話をするうちに、夢を実現させようという想いがより一層強くなっていったそうです。

後村さんは、勤務先を退職し、オープンに向けて着々と準備を進めていきました。

こだわりのガラスブロック、雑貨がアイコンになりました

こだわりのガラスブロック

お店の象徴になっているのが、季節や時間帯によって差し込む光で表情を変える、色とりどりのガラスのカラーブロックです。

内装を進めるにあたって、「この海外から取り寄せたガラスブロックだけは、どうしても譲れなかったんです」と後村さん。

「ガラスブロックを扱いたいとリフォーム会社に相談し、ウチではできないと断られてしまったものの、諦めることはできませんでした。知り合いに相談したら、市内の工務店を紹介してくれました」 

施工の仕方を後村さんがインターネットで調べ、工務店の職人さんに伝えながら、ガラスブロックを組み上げていきました。

買い集めた雑貨で店内を装飾しています

実のお姉さんのアドバイスも大きかったそうです。

「雑貨の好みが姉と似ているんです。東京から雑貨を送ってきてくれたり、開業前は帰郷する際、仙台でおちあい家具店や雑貨屋をめぐり、買い揃え、車に積んで八戸まで帰ってきました。1人では決めきれなかったので、心強くて助かりました。」

雑貨

大好きな国内外の雑貨

店内には、「カフェ経営の夢が叶った時のために」と20代の頃からコツコツ集めてきた、大好きな国内外の雑貨が配されています。

店内

そして、ついにオープンを迎えました。

インスタ映えする投稿で、お客さんが魅力を再発見してくれました

メニューは、東京の飲食店で腕を磨いた後村さん厳選の無国籍料理です。後村さんが好きな世界の料理ばかりがラインナップされています。

十六穀米を使ったり、野菜をふんだんに使ったりと身体に優しいメニューばかり。A.B.Cランチ、ガパオ、ハンバーグ、ロコモコ、オムライス等など、目移りしてしまいます。

メニュー

ランチがメインのお店ということもあって、早い時間帯からお客さんでいっぱいになります。7割が女性、その他大学生、カップル、ファミリー、スポーツ選手など多様です。

ずっと東京で修行し、帰郷後間もないことから地元にほとんどツテがなく、オープン時、これといった宣伝をしてきませんでした。

そんな後村さんの心強い味方が、InstagramやFacebookを通じてリピーターになってくれたお客さんの存在です。

もともとInstagramを使いこなしていた後村さん。海外の投稿者がアップした雑貨を、ネットで調べて取り寄せたりするなど、普段から活用していました。

「開店以来、通ってくださる根強いリピーターのお客さんもいらっしゃいます。Instagramやブログにプロ顔負けの写真をアップしてくれるんです。オープン時、ほとんど宣伝をしてこなかっただけに、ありがたいですね」

店内

写真テクニックを駆使して、料理や店内の雑貨を撮影し、次々とInstagramやブログにアップしてくださるお客さんの口コミで知られるようになり、お客さんが増えていきました。

こだわりのカラーブロックからこぼれる光がグラスに映り込む様子をInstagramに投稿し、後村さんに新しいお店の魅力を教えてくれたのもお客さんでした。

また、ハッシュタグで投稿記事をチェックしあっているお客さん同士、店内で声を掛け合う新たなコミュニケーションも見られ始めました。

「おかげさまで、遠方からも車でお客さんが駆けつけてくださいます」
SNSの効果は絶大のようです。

皆さまからの後押しとサポートで、夢を実現できた喜びが大きいです

日替わりのケーキメニューから「おれんじトルテ」を選ぶと、温めてからホイップクリームを添えて出してくれました。

お皿も後村さんこだわりの逸品。県内のクラフト市で出会った作家さんの陶器で揃えています。お話を聞いていると、作家さんとの出会いから、作品への思い入れなど、後村さんの想いがあふれて止まらなくなります。

おれんじトルテ

「いつか叶えたかった夢でしたから、いざ開業してしまえば、がむしゃらに働くしかないですね。苦労もあるけれど、夢を実現できた喜びの方が大きいですね。皆さまからの後押しとサポートがなければ、叶えることはできませんでした」

インスタ映えする可愛くておしゃれなスポットとして、ますます注目を集めそうです。

Dining & Café ikoi

ところ:八戸市旭ケ丘3丁目1-15
じかん:11:00~19:00(ラストオーダー 18:00)
定休日:毎週木曜日、第1・3水曜日
駐車場:あり

Instagram:dining_cafe_ikoi_151
Facebook:Dining&Café ikoi