今回は空き家をリノベーションし二世帯での暮らしを始めたOさんのリノベーション事例をご紹介いたします。 1人のお子さんを持つOさんは、こちらでの生活を始める前はスーパーなど生活に必要な施設へのアクセスがあまり良くない場所に、ご両親と暮らしていたそうです。高齢であるご両親が、今後車を運転できなくなることを想定し、徒歩でも生活に必要な施設へ行くことのできる立地、そして二世帯で暮らすために十分な広さが備わっている物件を探していました。そんな中、この物件と出会います。
広さ・立地の良さ・価格のメリットが備わっていた
二世帯にピッタリの十分な広さ
二世帯での暮らしに必要な広さが十分にあり、Oさんご家族とご両親それぞれの部屋の確保や、トイレを2つ設けたり、生活スペースを1階2階に分けて程よい距離感を保ったりできるなど、双方の生活に合わせたリノベーションが可能な物件でした。さらに、駐車スペースを確保できる広い敷地も兼ね備えているため、親戚の方が集まる際にも問題なく対応できます。
生活が便利に。アクセスが良い好立地
スーパー、コンビニ、病院などが徒歩圏内にあるだけでなく、少し遠出しなければならない場合でも、バス停が近くにあるため、車を運転できなくなった時でも安心です。二世帯での暮らしをお考えの方は、このようなポイントを踏まえて物件の選択を考えるのも良いかもしれませんね。
価格的なメリットが備わっていた
本物件をリノベーションした場合と同条件で新築しようとした場合に500万円程多く費用がかかる見積もりだったそうで、希望する間取りを少しでも低価格で実現できることがOさんにとって非常に大きかったそうです。
このように本物件は、リノベーションをすることで間取りの制約はありつつも注文住宅のような設計の自由度と、規格住宅のような低価格を実現することができ、立地条件も含めて家族5人二世帯で暮らすOさんにとってピッタリの物件でした。
では、どのようにリノベーションを行ったのか実際に見ていきましょう。
“あたたかさ”にこだわったリノベーション
高齢のご両親と一緒に暮らすということで、地震に強く、あたたかな住まいにしたかったOさんは、断熱性・耐震性にこだわったリノベーションをすることにしたそうです。特に、大病を患った過去のあるお父様のため、居住空間内の寒暖差が生まれないよう、あたたかさにこだわり、「温度のバリアフリー」を目指しました。
リビングダイニングキッチンは、昔ながらの住宅でよくみられる3間の和室が連なる造りを一つの空間にリノベーションすることとで、温度差がなく広々としたリビングダイニングキッチンへと生まれ変わりました。
さらに、壁を取り払い、廊下をなくすことでより広々とした一つの空間になっています。加えて廊下や壁で空気が分断されていないため、暖房ひとつで家中あたたかく寒暖差のない「温度のバリアフリー」を実現しています。
“活用”と“変化”のリノベーション
元々の造りを活かし押し入れだったスペースを活用し、スコットランド発祥の居心地の良い小ぢんまりとしたスペース「ヌック」が取り入れられています。来客時に子供たちの遊び場になったり、赤ちゃんを寝かせるスペースとして利用したり、静かに本を読んだりするなど、昔ながらの造りを活用したリノベーションで暮らしを豊かにしていました。
また、耐震性能の観点から物件によってできる範囲は限られますが、耐震性確保に影響のない柱を取り払うことで、思い通りの間取りへと変化させることもできます。Oさんの場合は、柱を取り払うことで4.5帖の和室を作ることができました。
昔ながらの住宅の特徴がアクセントに
こちらの階段は、材質が堅く、摩耗にも強いことで知られる欅が使われていました。美しい木目をそのまま活用しつつ、昔ながらの造りを活かしたリノベーションで味のあるおしゃれな階段になっています。
同様に、欅が使われていたこちらの柱もそのまま活用され、壁のあった部分の継ぎ目が模様としてそのまま残っており、こちらもおしゃれにリノベーションされています。
「単純にそのまま残してもかっこいいなと思って残すことにしました。柱は大工さんの手仕事が感じられて良いなと、模様も幾何学で面白いですしね。」とOさん。
二世帯での暮らしに合わせたリノベーションに加えてOさんのセンスが光る、昔ながらの造りが活かされた、おしゃれな住宅へと生まれ変わっていました。
空き家を活用する時はここに注意!
本物件のリノベーションを手掛けたという「わが家のリノベ」さんに、空き家を活用する上での注意点を聞いてみました。
空き家ずかんスタッフ:空き家を活用する上で注意するポイントを教えていただけますか。
わが家のリノベさん:空き家を選ぶ際は、昭和56年(6月)以降に建築された物件がおすすめです。この年に建築基準法が改正されて耐震基準が変わりました。新耐震とされる物件が望ましいです。
空き家ずかんスタッフ:耐震基準がその年から違うのですね。やはり地震に耐え得るかが大きなポイントになってくるのでしょうか?
わが家のリノベさん:そうですね。基礎がしっかりしているかというのが重要になります。基礎部分はなるべく地面から高く作ってあるのが望ましいです。理想としてはコンクリートが30cmくらい見えると良いですね。
空き家ずかんスタッフ:なるほど。基礎のコンクリート部分がどのくらいあるかを注意して見た方が良いのですね。
わが家のリノベさん:ただ、築50年以上経っているような古い物件には、柱や土台に良い木材が使用されているケースが多いので、その木材の活用を優先するという選択肢もありますね。
空き家ずかんスタッフ:それぞれに良い点があるのですね。色々な選択肢がありますね。
わが家のリノベさん:あくまでもこれらは簡単なポイントですので、ご購入前にプロの方へ相談することをおすすめいたします。弊社では購入前のご相談も承っております。費用はかかりませんので是非ご活用いただければと思います。
空き家ずかんスタッフ:事前にプロの方に見ていただきながら、空き家の活用について考えられるのは良いですね。本日はありがとうございました。
これらのポイントを踏まえながら自分の条件にあった物件を探し、購入前にプロの方へリノベーションの相談をすることで、より良く空き家を活用することができそうですね。
あたたかい空間で快適に
「空き家を活用してみて、非常に満足しています。あたたかさにこだわったので快適に過ごせています。とても良いですね。」とOさん。空き家を“あたたかさ“にこだわってリノベーションすることで、室内の暖かさだけでなく、家族が憩うあたたかな空間が生まれ、Oさんご家族の暮らしを彩っていました。
二世帯での暮らしを希望する方にとって、空き家を活用するという選択肢は、豊かな暮らしへつながる大きなメリットがあることがわかりました。それだけではなく、親世帯のみが居住しているなど、将来的に空き家となる可能性が高い住宅(いわゆる空き家予備軍)についてもご家族で話し合い二世帯住宅としてリノベーションすることで、空き家の発生抑制にも、ご自身のみならず親世帯にとっても、豊かな生活につながる可能性があります。ぜひ今回の事例をご参考に、空き家を含めた既存住宅活用の検討をしてみてはいかがでしょうか。