元々2階建ての物件に住んでいたTさんは、ご高齢ということもあり1階と2階の昇り降りが厳しくなってきたため、空き家だった昔ながらの平屋をリノベーションし、足腰にやさしい物件での暮らしを始めました。
そんな物件を、今回はどのようなリノベーションになっているのか、この物件のリノベーションを担当したトップテクノさんの解説を交えながら、HACHINOHE DIMEの北向GM兼選手に「空き家に関するクイズ」に答えていただきましょう♪
北向GM兼選手は、3人制バスケ【3×3(スリーバイスリー)】のプロチーム HACHINOHE DIMEのG M(ジェネラルマネージャー)兼選手として活動されています。ポジションはガード、精度の高いスリーポイントを武器に、5人制バスケBリーグでも活躍し、現在はHACHINOHE DIMEで選手として活躍しながら、後進の育成にも貢献されています。
北向GM兼選手「空き家マスターになりたいと思います!よろしくお願いします!」
クイズは全6問!北向GM兼選手は何問正解できるのでしょうか!
それでは早速、どのようなリノベーションになっているのか見ていきましょう!クイズ空き家!
外観はこちら!
こちらが今回ご紹介する物件のリノベーション前の写真です。築年数は約50年、昔ながらの平屋で、屋根や壁がトタンで作られています。さらに、床下部分の換気口が塞がっていたため湿気がこもり、物件に良くない環境となっていました。
北向GM兼選手「住んでと言われれば住めないこともないけど……ちょっと厳しいかな…」
トップテクノさん「トタンは熱伝導率が良いため、暑い日は熱を吸収しやすく室内に熱がこもり、寒い日には冷気も伝わりやすいので室内が冷えてしまいます。床下は、空気が循環していないと湿気がこもって、物件が傷んでしまうので良くないですね。」
このように物件は綺麗にリノベーションされ、問題点が解消されました。
トップテクノさん「トタンだった壁と屋根の素材を変えて補修しています。物件の下の方にはいくつか換気口を設けていまして、床下の換気がされるようにリノベーションしています。」
北向GM兼選手「これだけ綺麗だったらすぐに住めますね!」
「ここでクイズです!」
「空き家を活用する際、基礎がしっかりしている物件かどうかを見分けることが一つのポイントです。それを見分ける一つの目安は、地面からの高さ。高ければ高いほど良いのですが、見分ける目安の最低ラインは次の3つのうちどれでしょう?A.20cm B.30cm C.60cm」
ぜひ記事をご覧の皆さんも考えてみてください♪ヒントは前回の記事!
北向GM兼選手の解答は…
北向GM兼選手「B!30cm!」
「正解は…」
「Bの30cm!」
トップテクノさん「地面から近いとその分湿気の影響を受けやすくなるため、物件が傷みやすいです。実は、この物件は基礎の高さが30cmもなかったのですが、基礎の補強に加え、床下の換気口と、床下の地面に土間シートという湿気を遮断するシートを敷き山砂で固定することで対策しています。地面からの高さは30cm以上、できれば45cmはあると良いのですが、そうでない場合でも対処法は様々ありますので、まずはご相談いただければと思います。」
基礎の高さの他にも、鉄筋が使われているかなどもポイントになってきます。あくまで高さは一つの目安として、詳しいことは専門の方に相談しましょう。次は玄関部分です!
玄関はこちら!
リノベーション前は、入口が2つ設けられていたため、それぞれのスペースが狭い状態でした。
北向GM兼選手「ちょっと、なんで2つあるのかわからないですね…」
この部分をリノベーションし、新たな玄関を設置しています。
トップテクノさん「地面からの湿気の影響で、ドアの老朽化が進んでいました。ドア自体に加えて湿気対策が必要でしたね。」
新しいドアが取り付けられ、地面からの湿気対策でドア下はしっかりと舗装されています。玄関内は、2つあった入口を一つにして広くし、滑りにくいようにタイルを敷いています。
「ここでクイズです!」
「入口が二つもあったこちらの物件ですが、以前はどういった建物として利用されていたでしょうか?」
北向GM兼選手の解答は…
北向GM兼選手「う〜ん…二世帯!」
「正解は…」
「貸家でした!」
トップテクノさん「貸家として使われていたこの物件は、真ん中から左右対称の造りをしています。現在は、片方を居住スペース、もう片方は倉庫として利用されています。」
北向GM兼選手「なるほど、納得です!」
次は内装を見てみましょう!
内装はこちら!
リノベーション前の物件内は、壁が土壁、仕切りは襖で、床は畳と昔ながらの造りをしています。
トップテクノさん「断熱材が壁にも床にも使われていませんでした。外装がトタンだったので、夏は暑く冬は寒い部屋だったと思います。」
北向GM兼選手「僕は寒さに強い方ですけど、さすがに厳しそうです…」
トップテクノさん「床と壁に断熱材を使用して、畳からフローリングにリノベーションしました。室温に対しても床下の湿気に対しても対策をしっかり行っています。元々仕切られていた部屋も一つの空間にすることで段差もなくなり、足腰に不安のあった家主さんでも安心の居住スペースとなっています。」
北向GM兼選手「これなら住みやすそうですね!」
「ここでクイズです!」
「断熱材を使用した場合、していない場合でどのくらい温度の下がり方に違いがあるでしょうか?次の3つの中から正しいものをお選びください」
北向GM兼選手の解答は…
北向GM兼選手「A!」
「正解は…」
「A!」
トップテクノさん「断熱材に使っている素材や、部屋の大きさ、窓の造りによっても温度の変化に差がありますので、一概に断熱材を使っていれば暖かくなるわけではありません。ご自身の暮らしに合ったリノベーション方法を探していくことが大切です。」
北向GM兼選手「なるほど…参考になりますね!」
物件の暖かさに関しては、断熱材だけでなく、間取りや導線などの空間自体も含めて、ご自身の暮らしに合わせたリノベーションを考えていくことが大切ですね。
次はキッチンを見てみましょう!
キッチンはこちら!
リノベーション前のキッチンには収納がなく、床も傷んでいました。
北向GM兼選手「本当にキッチンなのかわからないくらいですね…」
トップテクノさん「キッチンは全て取り替え、床には水に強いクッションフロアを使用しています。それから、全面が窓でしたが、コンロ前は壁にして汚れが目立たないようにしました。」
「ここでクイズです!」
「キッチン(ワークトップ)の高さが選べるってご存じでしたか?こちらのキッチンの高さは何センチでしょう?
A. 82cm B. 85cm C. 90cm」
北向GM兼選手の解答は…
北向GM兼選手「B 85cm!」
「正解は…」
「Bの85cm!」
トップテクノさん「使いやすいワークトップの高さの目安は 身長÷2+5cmに近いものです。自分に合っていない高さのキッチンだと、料理をしている間に体に余計な負担がかかってしまいます。
あくまで目安になりますので、キッチンを選ぶ際はショールームに行って実際に確かめてみましょう!」
北向GM兼選手「僕は185cmなので、97.5…100cm近くになっちゃうんですね!」
空き家に限らず、特に水回りのリノベーションで多いようですが、よく確認してみたら実はこんなところまで傷んでいた!そのようなこともあるようです。追加の補修が必要になることもありますので、事前によく確認することや問題が見つかった場合には納得してリノベーションを進められるよう、しっかりとコミュニケーションをとっていくことが大切です。
次はお風呂&トイレを見てみましょう!
お風呂&トイレはこちら!
リノベーション前のお風呂は木材が傷んでおり、トイレは汲み取り式で和式便器が取り付けられた古い作りをしています。
北向GM兼選手「“昔ならでは“の感じですね…」
トップテクノさん「お風呂は全て入れ替えて新しくしました。トイレは汲み取り式のため、簡易水洗にしています。通常の汲み取り式よりも水が貯まる分、汲み取り回数が増える傾向にありますが、水が流れることで清潔に使えますし排出弁が設置されますので、汲み取り式より臭いも軽減できます。」
「ここでクイズです!」
「八戸市では、空き家の流通促進のため、空き家を売買する場合に必要となる費用の一部を補助しています。
【八戸市◯◯◯◯空き家流通促進事業補助金】という補助金なのですが、新たに既存住宅リフォーム・リノベーション工事も補助の対象となりました。では○に入る言葉は次のうちどれでしょう?
A:あんしん B:ぜんしん C:こんしん」
北向GM兼選手の解答は…
北向GM兼選手「これじゃないかな…Aのあんしん!」
「正解は…」
「Aのあんしん!」
こちらの補助金では、リフォーム・リノベーション工事も補助金の対象となっており、最大で30万円の補助金が支給されます。条件など詳しくは次のリンクよりご確認ください。
(八戸市あんしん空き家流通促進事業補助金 https://www.city.hachinohe.aomori.jp/kurashi_tetsuzuki/sumai_kotsu_jougesuido/jutaku/1/13645.html)
北向GM兼選手「こういうの(補助)があると嬉しいですよね!」
まとめ
リノベーションに関してだけでなく、空き家を活用する際の豆知識もご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。
リノベーション前にあった問題点を、家主さんの暮らしに合わせてしっかりと解消していましたね。
空き家の活用は、間取りなど構造上の制約はありますが、注文住宅のように設計の自由度が高く、規格住宅のように低価格といったメリットを持ち合わせています。
本物件は、物件全体をリノベーションしたものの、必要最低限にとどめることで価格は900万円以下とリーズナブル。空き家活用のコストメリットと、暮らしに合わせられる自由度の高さが活かされたリノベーション事例でした。
「突然ですがここで最後のクイズです!」
「八戸市の空き家率は、青森県の空き家率より高いでしょうか?低いでしょうか?(平成30年住宅・土地統計調査)」
北向GM兼選手の解答は…
北向GM兼選手「八戸は都会だからなぁ……青森県より低い!」
「正解は…」
「青森県より高い!」
北向GM兼選手「え!?そうなんだ!?…これは悔しい…」
八戸市の空き家率は15.4%、青森県の空き家率は14.8%、全国の空き家率は13.6%と、八戸市の空き家率は青森県及び全国よりも高くなっています。今後、高齢者の増加や一人暮らし世帯の増加で、空き家がさらに増加することが懸念されています。(・平成 30 年住宅・土地統計調査 結果の概要 総務省統計局より|https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_gaiyou.pdf
・八戸市空き家対策計画より|https://www.city.hachinohe.aomori.jp/soshikikarasagasu/toshiseisakuka/akiya/15567.html)
北向GM兼選手「知ってそうで知らないことが多かったですね、全国の空き家率よりも八戸の空き家率の方が高いことにびっくりしました。もっと空き家の利活用を促進していければいいなと感じました!」
北向GM兼選手、本日はありがとうございました!6問中4問正解!!
今回の事例のように空き家の活用はご自身が描くライフスタイルを低コストで実現できる可能性があります。空き家の活用は、コストメリットや自由度の高さなどのご自身へのメリットだけでなく、暮らす地域の環境にも良い影響を与えます。八戸市には空き家が約7,000軒あるといわれています。もしかしたら、この中にライフスタイルを実現できる物件があるかもしれません。豊かな暮らしを実現する一つの選択肢として、空き家の活用を検討してみてはいかがでしょうか。また、将来的に空き家となる可能性が高い既存住宅の活用も検討してみてもいいかもしれません。
今回紹介した物件は、築約50年の古い物件でしたが、適切なリフォーム・リノベーションをすることで、新築にも劣らない物件に生まれかわりました。
(この記事作成にあたり、新型コロナウイルス感染防止対策を行った上で収録しました。)